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【不安...】「120人も統治するなんて俺にはとてもできない」と言ってしまう“首相・岸田文雄”をなぜ日本政治は生みだしたのか
 コロナ禍での東京オリンピックの開催に揺れ、首相が代わり、衆議院選挙では与野党ともに幹事長が辞任する結果となった2021年の日本。いったい、この1年で日本政治に起きたことにはどんな意味があったのか。東京大学名誉教授の政治学者・御厨貴氏に聞いた。

◆ ◆ ◆

政治家岸田文雄」の本質

――今年の政界の大きな出来事は、首相の交代と、4年ぶりの解散総選挙でした。まず、ここまでの岸田政権をどう評価されていますか。

御厨 多くの人は、岸田政権に対して何か強い印象を持つことが少なかったのではないでしょうか。それもそのはずで、岸田総理はこの10年、もっといえばこの30年出てこなかったタイプ総理大臣。国民の方が、こういう総理大臣が久しぶりすぎてはかりかねているのです。

岸田総理は「聞く力」が自身の長所だとアピールこそしていますが、記者会見を何度開いても、本当にやりたいことが見えてこない。「新しい資本主義」や「成長と分配の好循環」の意味を訊かれて答えても、何を言っているかわかりません。

自民党で長年続いてきた名門派閥・宏池会系のトップですから、積み重ねてきた総論哲学はある。しかし、具体的な各論がないんです。

――「何をしたい政治家なのか」がわかりにくいわけですか。

御厨 「令和版所得倍増計画」とも言ったでしょう? 60年以上前に池田勇人首相が唱えた言葉を持ち出されたって、いまどきわかる人はいません。次第に使わなくなりましたが、たぶん若い人から「総理、それ、通じないからやめましょう」とアドバイスされて、「みんながそう言うならやめるか。いい言葉だけどなあ」とかなんとか言いながら、引っ込めたに違いありません。

これは彼を象徴する一面ともいえます。仮に、安倍さんであれば自分が使いたいという言葉にはこだわり、自らの意思をはっきり表明したでしょう。岸田総理にはそれがない。どこかのんきで無頓着、ノンシャランとした政治家なのです。これは安倍・菅と続いてきたこの約10年の総理大臣とは明らかに違う特徴です。

ただ、それが凶と出るか吉と出るかは別です。本人に明確な意思がないので、コロナ対策などは案外うまくいくかもしれません。第6波にどう備えたらいいか大体わかってきて、その上に乗っかればいいだけの話でもありますから。

「思い入れの強い」安倍・菅とは対照的なドライさの背景

――「聞く力」より「鈍感力」が持ち味かもしれませんね。

御厨 甘利幹事長が、衆院選の小選挙区で落選した責任を取って辞任を申し出たら、あっさり切って茂木さんを後任に据えました。あれで、岸田総理は人事に固執しないことが明確になりました。

「この人を絶対この地位につける。そこで頑張ってほしい」という思い入れが強かった安倍さんや菅さんとは違いますから、今後任命された人も、「総理のために」と頑張っている途中で、「あなたはもうこれで結構」と切られたりするかもしれません。

えてして就任後に老け込む人も多い地位にもかかわらず、総理になってから元気いっぱいで、ストレスが溜まっているようにも見えません。だから、意外に“頑張る”と思います。政権にしがみつくという意味ではなく、「普通に仕事していますから、皆さん何も言わないでください」という姿勢を貫いていくでしょう。

――そのドライさは個人的な資質なのか。それとも、対安倍や対菅という意識が強いせいでしょうか。

御厨 彼には安倍さんや菅さんへの対抗意識はありません。安倍さんと菅さんは感情露出が激しくて、嫌な質問には平気で怒鳴ったでしょう。総理大臣はそういう人ばかりじゃなくて、岸田さんのようにノンシャランとした人もいる。平成以後の政治家という尺度で見れば新しいタイプに見えるかもしれませんが、実は“先祖返り”で、昭和の派閥全盛期にいた雰囲気の総理大臣なのです。

もう10年も忘れていた、もっといえば平成の時代にもいなかったタイプリーダーシップは発揮しないけれども、なんとなく仕事はやるという総理です。

「新しい資本主義実現会議」に代表されるような有識者の会議をたくさん作りましたね。あれはメンバーの有識者が“特別な人”である必要のない、すべて官僚のお膳立て。結局やっているのは現場の官僚たちです。つまり、懐かしさの漂う「昔風」の政治に戻ったんです。

個人に重きを置かず、組織や官僚を使おうとするのも、宏池会らしい政治です。政策派閥と言われるくらい政策に強い政治家がたくさんいる派閥ですから、トップは彼らに任せて乗っかっていればいいんです。

120人の集団に「よく統治できるな、俺にはとてもできない」と言ってしまう岸田総理

――安倍さんや菅さんとは、改めてつくづく違うタイプなんですね。

御厨 わかりやすく変わったことは、官邸一極集中でなくなったことです。安倍・菅政権で報復人事を恐れていた官僚たちがだいぶ弛緩して、安心しています。官僚は変わり身が早いから、永田町霞が関は明るくなると思います。その意味で岸田総理は、官僚連中にいい水を流しています。

かといって岸田さんが派閥主義者かというと、40数人で第4派閥の宏池会を大きくしようという考えはない。以前に話したとき「このくらいの人数がちょうどいい」と言っていました。さらに「昔の田中派なんて120人もいたんだってね。よくそんな人数を統治できるな。俺にはとてもできないよ」とも言うわけです。

上を目指す政治家として、その考えはまずいんじゃないかという発想は、岸田さんにはありません。しかし40数名でやっていくんだという覚悟は、逆に武器になります。意外に芯の強い人が総理になったと言えるかもしれません。

野党が押し流された「政権交代より世代交代

――2021年はそんな岸田首相になってすぐに衆院選も行われました。あの選挙について、どう総括されますか。

御厨 どの党も、コロナで苦しんできた国民にいい顔を見せようとして、ばら撒きばかり提言しました。「時限的に消費税を下げます」「商品購入に使えるポイントを配ります」と短期的・即物的な話題ばかりが目立ち、この先人口が減っていく日本をどう運営していくかという視点は後景化してしまった。

だから個々の選挙区は燃えたと思いますが、全体として盛り上がりませんでした。菅総理の突然の辞任で始まった自民党総裁選のほうが、ずっと面白かったとさえいえます。

これにはメディアの責任もあって、政権選択型選挙だと印象づけようとしたでしょう。野党にそんな力はないのに無理やり、自公を取るか、立民+共産を取るかという構図にしてしまった。それにまた、立民の枝野代表が乗っかってしまいました。その意味では、作られた選挙を見ているようで、あまり気分がよくなかったというのも本音です。

――野党はなぜ負けたんでしょうか。

御厨 非常にはっきりした敗因が、2点あります。1点めを象徴するのは、辻元清美さんが落選したり、小沢一郎さんが連続17選を重ねてきた小選挙区で初めて敗れたことです。

小沢さんに対抗した自民党の候補者は38歳で、キャッチフレーズが「政権交代より世代交代」だった。この意識が、ほかの各選挙区の有権者にも響いたんです。

立民は旧民主党が政権を失って以来、政権交代を唱えてきました。もっといえば、その旧民主党が政権を取ったときから言えば10年以上、同じフレーズを使っている。しかし国民は「この人たちに付いて行っても、もう政権交代なんかないよね」と悟っているのです。

真実味のなさから目を逸らした立民

――もう1点の理由は何ですか。

御厨 立民が共産党と手を結んだことです。55年体制では、自民党が悪さをしたら、多くの人が社会党に投票しました。政権交代など起こりえないと知った上で、与野党を伯仲させることが自民党への懲らしめになったからです。

今回も、そんな「お灸効果」を狙う選挙だったはずなんです。有権者には「モリカケ桜、河井夫妻の買収事件など、何ひとつ解明されない。いくらなんでも自民党はやりすぎだ」という憤りがありました。だから、そういう有権者の意識をすくい取ろうとすればよかった。

ところが立民は、政権を取ったら共産党と「限定的な閣外協力」をするとまで踏み込んだ。世論調査を見ても、いまの野党に政権交代するほどの力がないことは有権者もわかっていますから、その拙速な動きにしらけて離れてしまった。

まして、共産党は日ごろの言動以前の、「有権者が持つ拒否反応」も根強い。「どういう選挙で選ばれているのか分からないまま、もう何年も同じ人がずっとトップにいる」「いまだに党の綱領には革命を謳っている」「日米安保や自衛隊にさえ反対してきた政党が与党で大丈夫なのか」といった忌避感が拭えていないなかで踏み込むには、あまりにも大きな一歩でした。

政権交代を長年掲げ続けたことで真実味がなくなり、そのことを見て見ぬ振りをするかのような性急な対応をとった立民は、負けるべくして負けたんですよ。

与野党幹事長が共倒れ…「改革」の果てにあったもの

――そうして臨んだ選挙ですが、結果をみれば自民も立民も、議席を減らしました。自民党の甘利幹事長も、立民の枝野代表と福山幹事長も辞任しました。勝ったのは誰ですか。

御厨 自民と立民は、揃って討ち死に。一番得をしたのは維新です。自民には入れたくないけど、立民+共産に入れるのも嫌。そうすると、「維新しかない」と風が吹いた。

ただ、あくまで勢いが味方をしただけで、実際議席数も2回前の衆議院選挙の時の数に戻っただけでもあります。維新の松井代表と吉村副代表は元気がいいですが、2人とも国会議員ではなく、大阪市大阪府の首長さんです。いくら頑張って発言しても、議席や国政とは関係がありません。詳しくは後で触れますが、彼らにはまだ大きな弱点がある。

だから結局、衆院選の勝者はいないと言えます。強いて挙げれば、負けなかったのが岸田総理だったということです。政権を維持できたわけですからね。

結局、30年にもわたり続いてきた「平成の政治改革」が何を生んだかといえば、最終的に「派閥全盛期」のような古式ゆかしい岸田政権を生んだのです。やっぱり自民党がよかった、という先祖返り。口当たりのいい「党改革」という言葉を岸田総理や自民党は唱えていますが、実際には考えてなどいません。党改革を叫びながら何もやらずにいても、政権は回っているからです。

ただ、とはいえ「何もやらなくていい」というわけではない。後編では自民党が早急に取りかからなければならない「宿題」を考えてみましょう。

◆◆◆

構成=石井謙一郎

立憲民主党・泉代表が“絶対に使ってはいけない言葉”と岸田政権の「提出期限ギリギリの宿題」 へ続く

(御厨 貴)

第100代内閣総理大臣としてスタートした岸田内閣 ©JMPA

(出典 news.nicovideo.jp)

第1次岸田内閣(だいいちじ きしだないかく)は、衆議院議員、自由民主党総裁の岸田文雄が第100代内閣総理大臣に任命され、2021年(令和3年)10月4日から2021年(令和3年)11月10日まで続いた日本の内閣である。 自由民主党と公明党を与党とする連立内閣(自公連立政権)である。
26キロバイト (778 語) - 2021年11月27日 (土) 09:24
正直今まで大して目立たなかった人だから全くの未知数で不安よね

<このニュースへのネットの反応>

文春きもい

質問者が無能で、言葉を切り抜いてる記者も無能で恣意的だからだろ?

気持ち悪いなぁ・・・添削しなかったの?

謙遜という文化のない国の人が記事を書いたのかな。それとも言葉を額面通りにしか受け取れない障害の人か。

あー日本人じゃないとここらへんの表現は良くわからないよね、しゃーないわ。

もっと短くできないの?要点まとめられないなら物書きの才能ないよ、やめたらこの仕事?

しょっぱなで入国禁止という大失策。先が思いやられる。個人的には、この人の韓国人顔が気に食わない。

御厨元教授の過去の発言を見ると、与党だけでなく野党にもかなり辛辣な評価を下してたりするから多分これは質問者が誘導してるか発言をパッチワークしてるかだろうな。

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